ーいつか、貌となる言の葉を散らし生きて逝く...ー
咲散華
早散な、その幻のような花に誘われて・・
君は・・幸せそうに微笑んだ。
その瞳には・・もう僕の声すら届かない・・。
あぁ・・なんて残酷な程に
綺麗なんだろか。
月が欲しいと泣く子供・・。
静かな夜に・・前触れもなく瞳が明るさを感じて開く・・。
顔にかかった月明かりが犯人の正体。
窓から覗いたその新円の月が暗がりの中に昼の残りを零す。
静かな静かな夜に・・
小さな小さな声が聴こえる。
濃紺の夜空に浮かぶ白い月。
手を伸ばすが・・その手は何も掴まずに空を切る・・のみ。
ねぇ、どうしたら手に入るの・・?
手に入らないそれを見つめて嘆く。
小さく淋しげな声・・。
Cryinng
for the Moon
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〜月が欲しいと泣く子供・・。
決してそれが手に入らないものと知らずに・・。